奄美諸島道の島・その歴史は、日本の歴史に大きな影響。

明治維新からの歴史

明治維新からの歴史

1862英国公使館通訳生 アーネスト・M・サトウ(19)日本着任
1862.8  生麦事件  生麦村で尊皇攘夷派の薩摩島津久光の江戸から京へ向かう行列を横切ろうとした英国人を薩摩藩士が注意したが聞き入れられず英国人四人のうち一人を斬殺 英国側が幕府と薩摩藩に謝罪、犯人の引き渡し、賠償金を要求。幕府は、支払うが薩摩は、拒否。
1863.6.27 7隻の英国艦隊が直接交渉のため錦江湾へ現れる。
1863.7.2 薩英戦争  最新式のアームストロング砲の威力に鶴丸城、城下、集成館を破壊、焼かれるが英国側も旗艦の艦長など13名が死亡。荒天のため艦隊の狙いも定まらず予想に反し苦戦のため翌7/3日に錦江湾から去る。
結末は、9/28 横浜の英国公使館で講和談判が行われ、賠償金を幕府が肩代わりすることで和解。

その後薩摩藩と英国は、急接近。留学生を送ったり近代工場の設計を頼むなど幕府に悟られないように薩摩の近代化と力が増強される。

1866 アーネスト・サトウ「ジャパン・タイムズ」に日本の混乱を収拾するための提言を発表。それが「英国策論」として公的な提案として国内でも広く読まれた。当然維新の志士たちにも。
彼から見れば日本の天皇と幕府の二重構造では、外交は進まず国内の混乱の原因として、徳川が幕府を降りて有力大名と共に天皇を支える体制が良いとした。 彼は後に「日露戦争」の時も日英同盟、日本支援に動いている。
その時は全権公使として来日、当然ながら英国の利益のためにである。

1867 王政復古の大号令 新政府発足

1867 旧住用村 住民による流人の集団リンチ事件「徳田崩れ」

島役人は、自刃。住民男性のほとんどが処罰され、村役の大半も処分を受ける。代官記などには、一切記録されていない。
伝承どおり、最近、島役人の墓が見つかった。

1868(明治元年)日本政府は、外国人を4~5,000人招聘し、約半数は、米国人だったといわれる。

1868 幕府の長崎製鉄所官営化
1869 (明治2年) 版籍奉還 藩主が天皇へ 

土地と人民を返還

北海道 開拓使(北方開拓のための官庁)を設置

私たち庶民とその土地は、藩主のものであった。そして、天皇へ返されたということである。

この頃の郷士格40家ほど(約50年間で)

1871(明治4) 7月 廃藩置県 3府302県 11月3府72県

戸籍法制定 翌年に平民に苗字 壬申(みずのえさる・じんしん)戸籍という

明治政府は、天皇の神格化を目指し 神道による統一

それまでの神仏習合から廃仏毀釈、同時に儒教の精神思想(忠孝、純潔主義)の教育を図る

※ここに今日の島々に残る葬式の際の神道、仏教の儀式が混在する原因がある。また、日常の「家」での教育に儒教の忠孝等の思想が植えつけられる

郵便事業開始 断髪令、廃刀令公布

奄美 「ひざすだち解放令」  
※「家人」ヤンチュの歴史を参照 奉公人はその後も残る
この島々では、奉公人と呼べない身分

明治4年 政府大蔵省は、鹿児島出身の川崎正蔵に琉球諸島の特産品を租税として調達するための調査を委託
彼は、調査と共に琉球ー阪神間の定期航路の開設を
駅逓頭の前島 密に進言 半官半民「日本国郵便蒸気船会社」の副頭取に推薦される 西日本の海運が長崎から神戸に移ることを着想したと考えられる

1872(明治5) 鹿児島県庁通達

「自葬を禁じ、葬儀は、神官か僧侶に頼むべし」それまでは、風葬の後土葬になっていたと思われる。

後に、廃仏毀釈により、神官のみとなった。

日本国郵便蒸気船会社は、岩崎弥太郎の三菱との汽船輸送の競合に敗れ明治8年に解散 明治9年 川崎は、岩崎に招かれ三菱の役員(菅事)になる 同年 川崎は、「西洋形風帆船」の製造資金について前島密、大久保利通に上申 。大久保はその必要性を着想していたという。川崎正蔵の造船所(後の川崎造船所)は東京と神戸に造る計画

明治11年5月 大久保利通暗殺される
5月 川崎築地造船所設立
7月 第1船「北海丸」進水 その後船舶は、順調に売れる
8月 川崎正蔵 三菱を退社
川崎の事業は官糖の独占販売権と海運業により大躍進する
官営工場も払い下げられ明治29年に株式会社になる

「糖」は明治期も大きな利益を生んでいたということであり、すなわち島のサトウキビ地獄は続いていたと言える
     
参考文献
「しまぬゆ」 「しまぬゆ」刊行委員会 (南方新社)
「遣唐使全航海」 上田 雄  (草思社)
「日本史年表・地図」 小玉幸多[編](吉川弘文館)
「日本残酷物語3」 下中邦彦[編](平凡社)
「日本の神話伝説」 吉田敦彦・吉川のり子 (青土社)
「海のシルクロード5」 中野美代子・川本邦衛・NHK取材班 
            (日本放送協会出版)
「一冊でわかるイラストでわかる図解日本史」 松岡佐知子[編]
            (成美堂出版)
「一冊でわかるイラストでわかる図解世界史」 中村智哉[編] 
             (成美堂出版)
「船の歴史事典」 アティリオ・クカーリ、エンツォ・アンジェ
         ルッチ 堀元美訳 (原書房)
「日本語の源流を求めて」 大野晋 (岩波新書)
「奄美の債務奴隷ヤンチュ」 名越護 (南方新社)
「与論島移住史」 南日本新聞社[編] (南方新社)
「伝承のコスモロジー」 高橋一郎 (第一書房)
「碑のある風景」 籾 芳晴 南海日日新聞社
「地名を歩く」 南島地名研究センター[編] ボーダーインク
「奄美市笠利地区におけるグスク分布」 奄美市教育委員会
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